キネティック・ダイレクトドライブ。それは、「SEIKO」の、120余年にわたるメカニカルウオッチ作りの歴史によって培われた技術力と、世界初のクオーツウオッチをはじめ、世の中になかった新しいものを創り出してきた革新性とが融合し生み出された、オンリーワンムーブメント。
他に類を見ない独自の機構を持つこの時計は、男の腕で新しい時を告げる。
1969年、「SEIKO」は、世界初のクオーツウオッチを発表。クオーツウオッチはぜんまいではなく、電池の電力で針を駆動し、同時に水晶振動子を振動させ、「1秒」という正確な時を紡ぎだす。
その電力を、腕の動きから得られないか。メカニカルウオッチのように、エネルギーを吹き込ませると応えてくれるような時計ができないか。
この理論は、十数年の時を経て、1986年に結晶。それが「SEIKO」独自の自動巻発電クオーツ「キネティック」。
「キネティック」はのちに、ストップウオッチ機能つきの「キネティック・クロノグラフ」、月末のカレンダー修正が不要な「キネティック・パーペチュアルカレンダー」へと発展する。
一方で、手巻のメカニカルウオッチのように、対話のできる時計ができないか。こうした発想から生まれたのが、キネティック初の手巻発電クオーツ「キネティック・ダイレクトドライブ」。
りゅうずを手で巻くと、通常時は時計の持続時間を表示しているパワーリザーブインジケーターが「発電インジケーター」に切り換わり、そしてまるで車のタコメーターのように、手巻によって発生した電気の量に応じて針が上下に躍動する。
これらは、自動巻と手巻の切換を可能とする切換車、発電量を検出する独自の積算システム、巻上回数を考慮した耐久性の高いりゅうずがあってはじめて実現した。
「キネティック・ダイレクトドライブ」は、メカニカルウオッチの製造技術の蓄積を経て、クオーツウオッチの開発をおこなってきた、日本発の独創。